遊ぶ子供>>実験音楽>>John Cage 「4'33"」
20040730

John Cage 「4'33"」

ジョン・ケージ、「キノコ・アルバム」
通称キノコ・アルバム
「4分33秒」の楽譜
楽譜

やっぱこれも紹介しないとね

 早くも2つ目の紹介です。結構有名ですよね?トリビアの泉でも放送されました(なんと実演もした)。ジョン・ケージという人は、アメリカでもっとも有名な現代音楽家だと言われています。ただ、僕はそんなにケージについては詳しくないので、この人の業績等については他所のサイトでお調べください。

こういう曲です

 で、「4'33"」という曲についてなんですが、この曲の譜面(楽譜)には「Tacet」とだけ書かれています。「Tacet」とはタセットと読み、演奏しない、休止、黙れ、という意味を持つ言葉です。つまり、「4'33"」とは4分33秒間、一切演奏を行わないという摩訶不思議な曲なのです。しかも、この曲は3楽章で成り立っておりまして、1章(30秒)、2章(2分23秒)、3章(1分40秒)全てに「Tacet」と書かれています(笑)。そんでもって、一応ピアノ曲として書かれたらしいです(爆笑)。どんな楽器でも演奏できますよね?

僕の「4'33"」

 自分なりの「4'33"」の解釈なのですが

  1.  リズム、メロディ、ハーモニー、という音楽の三大要素を解体する作品だと考えます。リズムとは、音の長短や強弱によって、音の時間的推移に秩序を与えるものですが、この曲にはそれがありません(見方によってはあるとも言えますが)。メロディとは、音が高さを変化させながら移動することによって生じるもので、 そしてハーモニーとは、縦に重なった複数の音がつらなって生じるものですが、当然これらもありません。

     以上の点から、もし「4'33"」が音楽作品として認められるならば、音楽には三大要素なんてものは必要ないということになると考えられます。

  2.  ケージの言葉である「全ての音は音楽だ」という概念―アイデア―を理解させるための作品でもあるかもしれません。この「4'33"」が音楽ならば、現に世界に存在する全ての音(無音も含めて)は音楽であるということも言えそうです。ただ、僕はこの「全ての音は音楽だ」という考えには反対です。しかし、それは単にケージと僕の「音楽」という言葉の取り扱いに関する違いによるもので、たいした問題ではありません。
  3.  この世界に絶対的な無音は存在しないんだということを示した作品でもあると思います。たとえば「4'33"」が演奏されている場においても、なにかしろ音は存在しているはずです。たとえ無響室であっても、心臓の鼓動や神経のパルスが聞こえるはずです。現にジョン・ケージは無響室で「4'33"」のアイデアを浮かべたと言われています。

     また、仮に心臓の音等も聞こえない状況であっても、我々が聴覚器官を有している限り、なにかしろの音(無音も含む)を聞いているわけでありますから、絶対的な無音はありえないと考えられます。もし、絶対的な無音というものがあるとすれば、それは先天的に聴覚器官を有しない(聴覚がない)人の住む世界のことかもしれません。僕は一生その世界を体験することはできないでしょう。

  4.  最後の解釈は単なるジョークだという見方です。僕は初めて「4'33"」を聞いたとき、わざわざレンタルCD屋に行って借りて聞いたのです。何も音が鳴らないことは知っていたのですが(実際は、章の間にピアノのカバーを開閉する音が微かに聞こえる)、ステレオの前にじっと座って聞いていました(笑)。なんか馬鹿にされたような、面白いような複雑な気持ちになったのを今でも憶えています。
こんなところですかね。なんせ特殊な曲ですから、非常に多様な解釈が可能です。私はもっとすごい解釈をしたぞ、あるいはすごい解釈を知っているぞという方からのコメントお待ちしております。

世界で一番これが好き

 そんなこんなで、色々と考えていくうちに音楽に対する考え方が一気に変わっていきました。実は、「4'33"」は僕のフェイバリット・ソングでもあるのです。

演るっきゃない(笑)

 上述の通り「4'33"」はどんな楽器でもどんなに初心者でも演奏可能ですので是非演ってみてください(笑)。あ、あと「4'33"」を何度も何度も聞く人っているんですかね?

posted by maco | Comment(4) | TrackBack(0) | 実験音楽
COMMENTS
そうですね。
こういう作品はいわゆる
「批評的」あるいは「メタ音楽」といえますね。
音楽自体を対象にした音楽、自己言及的な音楽。
現代美術関係、あるいはクセナキスを語るような
人々はケージをこのような
概念的な面で片付けてしまうひとが意外と
多いのですが、Sonatas & Interludes for Prepared Pianoなどは素朴に音楽として美しいです。
Posted by tomo at 2004/08/01
コメントありがとうございます!

>概念的な面で片付けてしまうひと

実は僕もです。
お恥ずかしい・・・
「4′33″」が強烈すぎてキノコ・アルバム以外の作品を聞いていません。

「ソナタとインタリュード」もかなり有名ですよね。
調べてみるとガムランのような音がしたりして、大変美しいとか。
さっそく聞いてみます。

しかし、日本以外からコメントをいただけるとは思ってもいませんでした。
まだ、このブログGoogleでも検索に引っ掛からないくらい生まれたてですからとても驚きました!
Posted by まこつん(管理人) at 2004/08/02
4′33″はベン・パターソンによるフルクサス・コンサート
http://olive.zero.ad.jp/morimotos/cmusic/Fluxus01.html
で初めて体験しました。聴衆は了解した趣きであり、とけいを持ち、演ずるパターソンをおだやかにみていました。
もちろん、美術館でのパフォーマンスという(フルクサスのcontextの中)でのものであり、特殊かもしれません。
ま、Cageの初演時の意味合いは今は失われているには違いないですが。
Posted by fragmkoto at 2005/01/03
いつの間にやらコメントが!気付くのが遅れ、申し訳ありません。

はじめまして。コメントありがとうございます。
昨年の11月に「フルクサス・コンサート」というものが日本で、しかも埼玉で行われていたのですね。知りませんでした。
うらやましいです!知っていれば観に行ったかもしれません。
しかし、4'33"を演る分には面白そうですが、観る分には少し退屈そうですね。
Posted by よしだまこと at 2005/01/04
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